2024/06/11
犬の目が充血してしまう原因について
犬の目が充血する原因には、アレルギー、感染症、角膜の傷、緑内障など、様々な病気が考えられます。
中には早く対処しないと危険な状態に陥るものもあるため、早期に原因を特定し、適切に対処することが重要です。
今回は、犬の目が充血しているときに考えられる原因と対策について解説します。
■目次
1.目が充血する理由
2.充血の原因として考えられる病気
3.愛犬の目が充血していたらどうすればいい?
4.まとめ
目が充血する理由
充血とは、普段は見えないほど細い目の表面の血管が拡張して赤く見える状態です。その原因には、炎症によって目への血流量が増えることや、眼圧の上昇に伴い血流が滞ることが考えられます。また、興奮やストレスなど心理的な要因で一時的に充血することもあります。
目が赤くなる原因には、充血以外にも以下のようなものがあります。
・結膜下出血:結膜の血管が破れることで出血し、目が赤く見える状態。
・眼内出血:目の内部での出血で、様々な目の病気が原因となる。
・血管新生:通常は血管がない角膜などの場所に新しい血管が作られること。
充血の原因として考えられる病気
<結膜炎・角膜炎>
結膜は白眼とまぶたの裏側、角膜は黒目の表面のことです。これらの部分に炎症が起こると、充血の原因となります。
結膜炎や角膜炎には、以下のような原因があります
・感染性:ウイルス、細菌、寄生虫の感染
・非感染性:外傷、アレルギー、ほこりやゴミなど異物の混入、逆さまつげ、眼瞼内反症、チェリーアイ、ドライアイ、緑内障、ぶどう膜炎
充血以外の症状としては、痒がる、涙が増える、まぶたが腫れる、特に感染によるもので目やにが増える、などが挙げられます。
<角膜潰瘍>
角膜の外傷(角膜潰瘍)も充血の原因となります。
角膜潰瘍では、以下のような症状が見られます。
・目の表面が白くなる
・目やにが増える
・痛そうに目をつぶる
・角膜に血管新生が見られる
角膜潰瘍が、角膜の表層だけにとどまらず、内側へと進行してしまうと、潰瘍性角膜炎と呼ばれる状態に陥る可能性があります。放置すると失明の危険もあるため、早めに動物病院を受診してください。
<乾性角結膜炎(ドライアイ)>
目の表面が常に乾いた状態になる乾性角結膜炎では、以下の症状が見られます。
・結膜の充血
・ネバネバした目やに
・目を擦る様子
乾性角結膜炎は、角膜潰瘍を起こしやすくなります。
<ぶどう膜炎>
虹彩(黒目の周り)、毛様体、脈絡膜で構成されるぶどう膜の炎症も充血の原因になります。
ぶどう膜炎の原因には、白内障などの目の病気、糖尿病、高血圧、感染症、アレルギーなどが含まれます。
ぶどう膜炎の症状には、以下のものがあります。
・充血する
・目をしょぼつかせる
・涙が増える
・瞳孔が小さくなる
<緑内障>
緑内障では、眼圧の上昇に伴い強膜(白目)の血液がうっ滞することで充血します。充血以外に、以下の症状も見られます。
・目を痛がる
・眼球が大きくなる(牛眼)
愛犬の目が充血していたらどうすればいい?
愛犬の目が充血していることに気づいた場合、基本的には原因を探り、適切な治療を行うために早めに動物病院で目の検査を受けることをお勧めします。しかし、一時的に目が赤くなったもののすぐに治り、他に症状がない場合は、少し様子を見ていただいても問題ないこともあります。
ご家庭で愛犬の目が充血している様子に気づいた場合、以下の点に注意してください。
・どこが充血しているのか
・どのくらい充血しているのか
・充血の前後で変わったことはないか
・充血以外に症状はないか
・目やにがあるのか、その量や色調はどうか
また、目薬の使用については、種類によって効果が異なります。自己判断で家庭にある目薬を使用することは避けてください。
誤った目薬の使用が症状を悪化させてしまうことがありますので、必ず動物病院で診察を受け、適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
目が充血する原因には様々な病気がありますが、いずれにせよ早く原因を特定して適切な対応をすることが重要です。
愛犬の目が充血していることに気づいた場合は、なるべく早めに動物病院での診察を受けることをお勧めします。早期の診断と治療が、愛犬の健康を守るために非常に大切です。
■当院の眼科に関する記事はこちらで解説しています
・犬の目の周りが腫れる病気について
・犬の自発性慢性角膜上皮欠損(SCCEDs)について|角膜潰瘍が治りにくいと感じたら
・犬の目やにが増える理由について
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