2025/05/14
犬の白内障と食べ物|白内障は食べ物で治る?手術が必要?獣医師が解説
人で馴染みのある白内障は犬でも身近な病気です。
「愛犬が年をとって目が白くなってきた。」
「動物病院で愛犬が白内障と診断された。」
このような心当たりのある飼い主様も多いのではないでしょうか。
インターネット上では白内障に良いとされる食べ物が色々と出てきます。
そのような食べ物の白内障に対する効果や犬の健康への影響はどうなのでしょうか。
今回は犬の白内障と食べ物との関係や治療方法について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の白内障についての理解を深めていただけると幸いです。
犬の白内障とは
犬の白内障は目のレンズである水晶体に濁りが生じる病気です。
白内障になると最終的には目が見えなくなります。
また、一度白内障になると手術をしない限り元に戻ることはありません。
犬の白内障の原因
犬の白内障の原因には
- 遺伝
- 加齢
- 他の眼疾患
- 外傷
- 中毒
- 糖尿病
などがあります。
遺伝が原因の場合は比較的若い年齢で白内障を発症します。
犬ではこの若年性の白内障が多いといわれています。
高齢で白内障と診断される犬も多いです。
しかしこのような犬も若い時に既に白内障を発症していて、飼い主が症状に気づいたのが高齢になってからだったということが多いです。
犬の白内障に良いとされる食べ物
白内障の予防に効果が期待できるのは抗酸化作用を持つ食べ物です。
具体的には
- ブルーベリー
- 鮭
- ブロッコリー
などが挙げられます。
それぞれについて紹介します。
ブルーベリー
ブルーベリーに含まれるアントシアニンという物質が抗酸化作用を持っています。
人間の目の健康にも良いといわれていますね。
犬に与えすぎると下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。
鮭
鮭には抗酸化物質であるアスタキサンチンが含まれています。
しかし犬に鮭を生で与えるのは危険です。
アニサキスという寄生虫に感染する恐れがあります。
ブロッコリー
ブロッコリーにはビタミンC、βカロテンなどの抗酸化物質が多く含まれているため、白内障予防に効果的といわれています。
ブロッコリーは硬く、あまり噛まずに飲み込んでしまうと腸閉塞をおこす危険性があります。
犬の白内障における食べ物の効果と注意点
上記の他にも白内障に良いとされる食べ物は色々とあります。
しかしそれぞれの食材に犬の健康を害してしまう危険性も潜んでいます。
特定の食材ばかりを与えることで犬の栄養バランスが崩れる原因にもなり得ますね。
そのため、白内障に良いとされている食材は基本的には与えない方が良いでしょう。
犬の総合的な健康を維持するためにバランスの良い食事を心がけましょう。
例えば、総合栄養食と表示のある市販の犬のごはんはバランスのとれた食事といえます。
また、既に白内障を発症している場合は食事で治すことは難しいです。
白内障は手術を受けることが根本的な治療になります。
犬の白内障の治療
犬が白内障になったらどのような治療の選択肢があるのでしょうか。
ここからは白内障の治療について詳しく解説します。
内科治療
混濁した水晶体が内科治療によって回復することはほとんどありません。
白内障の唯一の治療法は水晶体を外科手術で摘出することです。
とはいえ症状が軽度の場合に内科治療で症状の進行を抑える選択肢もあります。
その時に用いられるのは様々な種類の点眼薬です。
外科治療
犬の白内障の外科治療にはいくつかの術式があります。
現在主流となっているのは、超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を組み合わせたものです。
超音波水晶体乳化吸引術で白濁した水晶体を除去し、眼内レンズ挿入術で人工のレンズを挿入します。
この手術により視力を回復させることが可能です。
まとめ
いかがでしたか?
犬の白内障に良いとされる食べ物はたくさんありますが、総合的な健康を考えるとそのような食べ物ばかりを与えるのは好ましくないです。
犬の健康を維持するためにはバランスの良い食事を心がけることが大切です。
また、白内障を悪化させないために動物病院での定期的な検
犬の眼科診療では、検査や治療に特殊な医療機器を用いることが多いです。
眼科を得意としている動物病院で診察を受けることが白内障の早期治療にも繋がります。
当院は眼科診療に力を入れています。
白内障の手術も可能です。
愛犬の目について心配なことがありましたら、ぜひ当院にご相談ください。
奈良県生駒市の動物病院
Rootsどうぶつ病院