FIP(猫伝染性腹膜炎)のぶどう膜炎について|FIPは眼に症状が出る?

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FIP(猫伝染性腹膜炎)のぶどう膜炎について

 

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは猫の体内にあるコロナウイルスが、何らかの原因により変異することで起こります。
少し前までは致死率がほぼ100%の怖い病気でしたが、今は治療方法が出てきており、怖い病気ではあるものの、闘う方法がある病気となりました。

今回はFIPと、FIPによってぶどう膜炎という眼の症状がでることについて解説していきます。

■目次
1.FIPとは?
2.ぶどう膜炎とは?
3.なぜFIPでぶどう膜炎が起こる?
4.FIPの治療方法
5.まとめ

FIPとは?

FIPの多くは1歳齢未満の子猫で発症し、無治療の場合は生存期間が約9日間であったという報告がある怖い病気です。
FIPにはウェットタイプドライタイプがあり、それぞれ病態や症状が異なります。
ウェットタイプは腹水や胸水がお腹や胸の中に溜まることが多く、腹水が溜まり「お腹が張っている」、胸水が溜まり「呼吸が苦しそう」と飼い主さまがご相談に来ることもあります。
ドライタイプは腸管膜リンパ節の腫れ、腎臓などの臓器の不整や神経症状、眼の症状が出ることがあります。

飼い主様が気付かれる症状は、食欲不振や元気消失、発熱などで、症状も徐々に出ることがあり、病院への受診が遅れてしまうこともあります。

ぶどう膜炎とは?

ぶどう膜炎とは前部ぶどう膜という場所に炎症が起こった状態を指します。

ぶどう膜炎が起こる原因には感染性と非感染性があり、感染性は細菌やウイルスが眼に感染することで起こります。
非感染性は眼の傷や白内障、リンパ腫、FIP、免疫疾患などの全身性の病気が原因なこともあり、注意が必要です。

よく見る症状は

  • ・眼が開きづらい
  • ・涙が多い
  • ・目脂が出る
  • ・眼を気にする

などがあります。

なぜFIPでぶどう膜炎が起こる?

ぶどう膜の特徴として、他の眼の組織よりも血管が多いということがあります。
これがFIPを発症するとぶどう膜炎が起こる原因にもなります。
血管が多いぶどう膜に、眼では無い他の臓器に起こった炎症が血液の流れとともに波及し、影響を及ぼします。
そのため全身に強い炎症を起こすFIPは眼のぶどう膜にも炎症を起こしてしまう可能性があります。 

FIPの治療方法

FIPを発症した猫の状態はかなり悪くなり、治療が必要です。
ただし、治療には明確なガイドラインは未だに無く、獣医師の経験や論文で有効とされている治療を試していきます。
治療内容としては

  • ・ウイルスに対して直接働きかける可能性のある、抗ウイルス薬の使用
  • ・体内で起こっている炎症を抑える、抗炎症薬の使用
  • ・FIPが原因で二次的に起こる症状への対症療法(食欲不振に対して食欲増進剤など)

があります。

以前は治療を施しても治ることが難しい病気ではありましたが、今現在では有効とされている薬剤も出てきています。
しかし、そのほとんどが動物用医薬品ではなく、既存の薬剤を猫に使用する適応外使用・効能外使用となります。

まとめ

今回はFIPとその症状であるぶどう膜炎について解説しました。
FIPはその病気の性質上、いろいろな臓器に影響を及ぼします。
神経の症状や眼の症状が出ると「頭の病気かな?」「眼の病気かな?」と思いがちですが、FIPの可能性は否定できず、疑わしい場合はFIPの検査が必要です。
子猫の場合は免疫や体力も低いことが一般的であり、発症すると短期間で悪化していくことも少なくありません。
小さい頃は特に、何か気になることがあればすぐに動物病院へご相談ください。

 

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