犬の第三眼瞼脱出について|第三眼瞼脱出(チェリーアイ)の治療を解説

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犬の第三眼瞼脱出について


第三眼瞼脱出という病気は、赤いさくらんぼ状のものが目から出ていることから、『チェリーアイ』とも言われています。

40%は両側の目で発症すると言われており、発症する犬種の偏りがあるため、遺伝や解剖学的な原因があると考えられています。

今回はこの第三眼瞼脱出という病気について解説していきます。

■目次
1.第三眼瞼とは?
2.第三眼瞼脱出(チェリーアイ)について
3.第三眼瞼脱出(チェリーアイ)の治療方法
4.まとめ

1.第三眼瞼とは?

第三眼瞼は、多くの動物が持つ目の内側に存在する付属器の1つで、通常であれば日常生活で見ることはあまりありません。

第三眼瞼は、結膜の内側からヒダ状に発生し、そのヒダ内にT字の軟骨、涙を産生する瞬膜線をもちます。

第三眼瞼の働きは、目の表面の保護と涙の量の調節、および免疫を保つこととされています。

そのため、目の表面である角膜が傷つくと、普段はあまり見えない第三眼瞼が突出し、角膜表面を覆います。

また、第三眼瞼の中に存在する瞬膜腺は、全体の約30~60%もの涙を生成しています。

2.第三眼瞼脱出(チェリーアイ)について

では、その第三眼瞼が脱出してしまう病気とはどういったものなのか、解説していきます。

第三眼瞼脱出は第三眼瞼の病気としては最も一般的です。

脱出とは、正常の位置から逸脱した状態のことを指します。

この病気では、通常下瞼に収まっているはずの場所から反転し、瞼の辺縁から第三眼瞼の裏側が見えてる状態となります。

この脱出している部分に炎症が生じ、赤く腫れ、さくらんぼに似ていることからチェリーアイと言われることもあります。

未だ明確な原因は不明とされていますが、第三眼瞼と、眼窩周囲の組織の結合が弱いことで、第三眼瞼の固定力がなく、脱出が起こると言われています。

好発する犬種はビーグルアメリカンコッカースパニエルペキニーズチワワなど、日本でも人気の犬種が挙げられます。

症状は、目の内側の下瞼から赤いものが出ていること、炎症があれば、涙や目脂が増えることもあります。

脱出を気にして、擦る行動が見られた場合は、目の表面に傷がつくこともあります。

3.第三眼瞼突出(チェリーアイ)の治療方法

治療方法には内科治療、外科治療がありますが、根本的な治療は外科手術による脱出の整復となります。

軽度であれば内科治療でも一定の効果が認められます。

内科治療の方法は、主に抗炎症剤の点眼です。

また、エリザベスカラーの装着など、目を擦ったりしないよう、日常生活での工夫も必要です。

点眼薬でも治らない、再発を繰り返してしまう場合は手術による整復を実施します。

手術方法は主に2つあり、瞬膜腺を第三眼瞼に固定する『アンカーテクニック法』と、瞬膜線を結膜内に包み込む『ポケット法』に分けられます。

『アンカーテクニック法』は目の窪みの浅い短頭種(フレンチブルドッグなど)に有用とされており、『ポケット法』は、その成功率が94.1%という報告もあり、術式やその再発率の低さ、合併症の低さから、現在最も採用されている手術方法です。

高齢の第三眼瞼脱出症例や、経過の長い症例は積極的にこちらを選択しますが、ほとんどの第三眼瞼脱出の整復に有用とされています。


術後の合併症として最も多いものは、手術時に使用した糸により、目の表面に傷がついてしまうことです。

また手術により、涙の産生をおこなっている瞬膜線を取り扱うことから、涙の量が減少し、乾性角結膜炎(ドライアイ)を引き起こすこともあります。

この乾性角結膜炎は術後も定期的に検診を行うようにして下さい。

お家での注意点は、エリザベスカラーを必ず装着することです。

術後の違和感から、目を気にする症例が多いため、通常の手術でつけるエリザベスカラーよりも丈夫で、長めのものを着用します。

一瞬の隙に目を擦ってしまうと、術後のトラブルの元になるため、エリザベスカラーは獣医師が良いと判断するまでは、装着したままにしましょう。

4.まとめ

第三眼瞼脱出は、日本でも人気の犬種でよく見られる眼科疾患です。

比較的若齢から発症することが多く、診察でもよくよく見られる疾患です。

この疾患は、脱出している状態が長く、炎症が著しい場合は手術による整復の難易度が上がってしまいます。

そのため、違和感や脱出に気づいた時には、なるべく早めに動物病院へご相談下さい。


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