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犬の白内障手術の前に行う検査とは?|白内障手術前に必要な眼科検査について
「愛犬が白内障と診断されて手術を勧められた」
「手術前にERG検査が必要と言われたけれど、どんな検査かわからない」
「白内障手術を受ければ必ず見えるようになるの?」
犬を飼っている中で、このような疑問や不安を抱えていないでしょうか。
犬の白内障手術では、手術そのものだけでなく術前検査が非常に重要です。
術前検査には、目の奥にある網膜が正常に働いているか、手術後に視力回復が期待できるかを確認する目的があります。
今回は白内障手術を検討している飼い主様に向けて、
- 白内障手術前に検査が必要な理由
- ERG(網膜電図)検査とは何か
- 眼科超音波検査や眼圧検査でわかること
について解説します。
愛犬にとってより良い治療を選択するためにも、ぜひ最後までお読みください。
白内障手術の前に検査が必要な理由

白内障手術では、手術後に視力回復が期待できるかを事前に確認することが重要です。
白内障は、水晶体が白く濁る病気です。
白内障が進行すると視力が低下し、家具や壁にぶつかるようになったり、段差を怖がったりすることがあります。
飼い主様の中には「白い部分を取り除けばまた見えるようになる」と考える方も少なくありません。
しかし、目の奥にある網膜や視神経にも異常がある場合は、白内障手術を行っても十分な視力回復が期待できないことがあります。
そのため、白内障手術の前には専門的な眼科検査を行い、目の状態を詳しく評価することが欠かせません。
代表的な眼科検査には、
- ERG検査
- 眼科超音波検査
- 眼圧検査
があります。
それぞれ解説します。
ERG(網膜電図)検査とは?
白内障手術前の検査の中でも特に重要なのがERG検査です。
ERG検査は、日本語では網膜電図検査と呼ばれます。
ERG検査でわかること
ERG検査では、手術後に視力回復が期待できる状態かを確認できます。
白内障が進行すると、水晶体の濁りによって目の奥が見えにくくなります。
そのため、通常の眼底検査だけでは網膜の状態を十分に評価できないできないケースも少なくありません。
ERG検査では、光を当てた際に網膜から発生する微弱な電気信号を測定します。
この検査によって、
- 網膜が正常に機能しているか
- 手術後に視力回復が期待できるか
- 網膜変性などの病気が疑われないか
を確認できます。
網膜機能が大きく低下している場合は、水晶体の濁りを取り除いても十分な視力回復が期待できません。
そのため、ERG検査は白内障手術の適応を判断するうえで重要な役割を担っています。
ERG検査はなぜ重要なの?
ERG検査の大きな目的は、手術後の視力回復が期待できるかを確認することです。
白内障手術では濁った水晶体を取り除くことはできますが、失われた網膜機能を回復させることはできません。
そのため、網膜が十分に機能しているかを事前に確認する必要があります。
たとえば、白内障のほかに進行性網膜萎縮症(網膜が徐々に変性し、視力が低下していく病気)を発症している犬では、手術後も視力回復が難しい場合があります。
ERG検査は、こうした症例を見極めるための重要な検査です。
眼科超音波検査とは?

眼科超音波検査は、白内障によって見えにくくなった目の奥の状態を確認するための検査です。
白内障が進行すると、目の奥がほとんど見えなくなることがあります。
そのような場合に活躍するのが眼科超音波検査です。
眼科超音波検査では人の妊娠検査などで使われる超音波と同じ原理で、眼球内部の状態が確認できます。
眼科超音波検査でわかること
眼科超音波検査では、次のような異常を確認できます。
- 網膜剥離
- 硝子体の異常
- 眼球内部の出血
- 水晶体の位置異常
特に網膜剥離がある場合は、白内障手術を行っても十分な視力回復が期待できないことがあります。
そのため、手術前に網膜の状態を把握することが大切です。
眼圧検査とは?
眼圧検査は、緑内障や眼内炎症の有無を確認するために行う検査です。
眼圧とは、眼球の形を保つために必要な圧力のことです。
白内障の犬では、炎症や合併症によって眼圧が高くなったり低くなったりすることがあります。
そのため、白内障手術の前には眼圧を測定し、目の状態を詳しく評価することが必要です。
眼圧検査でわかること
眼圧検査では、緑内障やぶどう膜炎などの病気の評価を行います。
特に緑内障は、失明につながる可能性がある病気です。
眼圧が高い状態が続くと、網膜や視神経に大きなダメージが生じます。
白内障と緑内障を併発している犬もいるため、術前の眼圧測定は欠かせません。
眼圧の状態によっては、白内障手術以外の治療を優先する場合もあります。
そのほかに行われる検査
白内障手術を安全に行うためには、目の状態だけでなく全身の健康状態も確認する必要があります。
なぜなら、白内障手術では全身麻酔を使用するため、心臓や肺、肝臓、腎臓などの状態も重要になるからです。
そのほかに行われる主な白内障手術前検査には次のようなものがあります。
- 血液検査
- 胸部レントゲン検査
- 心電図検査
- 涙液量検査
- 角膜検査
特に高齢犬や持病のある犬では、全身麻酔のリスク評価が重要になります。
目の状態だけでなく、体全体が総合的に評価されたうえで手術が検討されます。
術前検査を受ければ必ず手術できる?
術前検査を受けたからといって、必ず手術が行われるわけではありません。
検査の結果によっては、手術による十分な効果が期待できない場合があります。
たとえば、次のような異常が見つかることがあります。
- 網膜機能の著しい低下
- 重度の網膜剥離
- 進行した緑内障
- 全身麻酔リスクの増加
このような場合には、手術以外の治療や経過観察が提案されることもあります。
一方で、適切な時期に手術を受けることで良好な視力回復が期待できる犬も少なくありません。
術前検査は手術を受けるための試験ではなく、愛犬にとって最適な治療方針を考えるための大切なステップといえるでしょう。
まとめ

愛犬が白内障と診断されると、「手術を受ければまた見えるようになるのだろうか」と不安になる飼い主様も多いと思います。
白内障手術では、水晶体の濁りを取り除くだけではなく、手術後に視力回復が期待できるかを事前に見極めることが重要です。
そのために、ERG検査で網膜の機能を確認し、眼科超音波検査で目の奥の状態を調べ、眼圧検査で緑内障などの合併症がないかを評価します。
こうした術前検査の結果をもとに、愛犬にとって手術が適しているかを総合的に判断します。当院では眼科診療に力を入れており、白内障手術を検討している犬に対して詳しい眼科検査を行っています。
愛犬の白内障についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
当院について
〒630-0243 奈良県生駒市俵口町1142-3
Roots(ルーツ)どうぶつ病院
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