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犬の緑内障は緊急性が高い?受診の目安や治療法を獣医師が解説

「白目が赤い」
「目がしょぼしょぼしている」
「物にぶつかるようになった」
犬にこのような変化はありませんか?
その変化は緑内障のサインかもしれません。

犬の緑内障は眼科疾患の中でも緊急性の高い緊急疾患です。
強烈な痛みと視力の低下を伴い、急性発症から72時間以内に適切な治療を受けないと不可逆的に失明してしまうこともあります。

今回の記事では、すぐに受診すべき緊急サインや治療法について解説します。
「最近うちの子の目の変化が気になる」と感じている飼い主様はぜひ参考になさってください。

草むらにいる柴犬

犬の緑内障とは?失明してしまう理由

緑内障は眼圧が異常に上昇することで、視神経や網膜が障害され最終的に視覚を失ってしまう病気です。
目の中は眼房水と呼ばれる液体で満たされています。
眼房水は目の中を流れる液体で、目に栄養を運び老廃物を回収するという役割を持っています。
眼房水は目の毛様体と呼ばれる部位から産生され、隅角と呼ばれる部位から排出されます。
この眼房水が目の中に止まることで生まれる圧力が眼圧です。
眼房水が隅角から排出されにくくなると、目の中に眼房水が過剰に溜まってしまい眼圧が高くなります。

緑内障による眼圧の上昇は、眼房水の排出が正常に行われないことが原因です。
犬の正常な眼圧は10〜25mmHg程度ですが、緑内障ではほとんどの場合で40mmHgを超えます。
高眼圧の状態が24〜72時間持続すると視覚が失われるリスクが高まり、その後の視力回復もほとんど見込めません。

犬の緑内障の原因

犬の緑内障の原因は原発性と続発性の二つに分類されます。

原発性の緑内障は、遺伝的な要因や、生まれつきの目の構造的な要因によるものです。
犬の緑内障の約80%が原発性緑内障と言われています。
原発性緑内障では片目で発症した場合に、1年以内にもう一方の目でも発症するリスクが高くなります。

続発性緑内障は、他の目の病気などから二次的に引き起こされた緑内障です。
原因となる主な疾患には、

  • 白内障
  • 水晶体脱臼
  • ぶどう膜炎

などが挙げられます。

緑内障になりやすい犬種

緑内障は遺伝的な要因により、なりやすい犬種があります。
緑内障になりやすい主な犬種には、

  • 柴犬
  • シーズー
  • コッカー・スパニエル

などが挙げられます。

こうした犬種は原発性緑内障になるリスクが他の犬種に比べ高いため、目の変化には注意が必要です。

茶色の犬の目

緑内障が緊急疾患になる理由

犬の緑内障は症状に気づいた時点でできるだけ早く受診が必要な、緊急性の高い病気の一つです。
これは眼圧上昇から24〜72時間以内に視覚が喪失すると言われているためです。
また、緑内障では高眼圧が持続することで強い痛みも伴います。

緑内障による緊急サインとして次のような症状が挙げられます。

  • 目をしょぼしょぼさせる仕草
  • 白目の充血
  • 黒目の濁り
  • 元気消失や食欲消失
  • 散瞳

緑内障で引き起こされる眼圧上昇は、失明や強い痛みなどにつながり迅速な対応が必要になります。
失明は犬にとって不安やストレスといった精神的な負担の大きい状態です。
また、緑内障による痛みは非常に強いと言われていて、失明した後も痛みが継続するため、犬の生活の質を著しく低下させてしまいます。
こうした痛みを取り除くために、多くの場合は外科的に眼球摘出や義眼の挿入などが必要になることもあります。
外科手術は飼い主様にとってとてもショッキングな出来事ですよね。
ここで挙げたような症状が見られた場合には、様子を見ずにできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

緑内障の緊急治療

緑内障が疑われる場合には、できるだけ早く治療を開始することが重要です。
急性緑内障の治療の目的は、治療の目標はすぐにでも眼圧を下げて視覚を維持することです。
治療方法には内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療では眼圧を下げる目薬が使われます。
また、緊急的に眼圧を下げるために静脈点滴からの利尿剤の投与や、角膜に細い針を刺して眼房水を直接抜く前眼房穿刺が行われることもあります。

外科的な治療は可能であれば早めに行った方が良い治療方法です。
視覚を維持できる可能性があるタイミングで手術を行う必要があるためです。
また、手術は専門機関でしか行えない処置です。
内科的な治療で様子をみていると、外科処置を行うのに適した時期をのがしてしまう可能性があるため、手術を希望する場合は可能な限り早く手術可能な病院に相談することが必要です。

手術方法の例として、前房シャント術が挙げられます。
前房シャント術は視覚のある急性緑内障に対して行われることがある手術です。
この手術は、目にチューブを設置し、眼房水を目の外に排出させる通り道を新しく作る方法です。
これにより一定期間は眼圧を正常に保つことができますが、チューブの閉塞などによって眼圧が再上昇してしまうリスクがあります。
そのため閉塞などがあった場合には、閉塞を除去する処置が必要です。また、続発性緑内障の場合には原因となっている疾患の治療を行う必要があります。
特に、水晶体脱臼や重度のぶどう膜炎がある場合は、通常第一選択になる点眼薬が使用できないケースがあるため必ず獣医師の診断のもと治療を行うことが重要です。

当院について

〒630-0243 奈良県生駒市俵口町1142-3
Roots(ルーツ)どうぶつ病院

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