2026/01/28
犬の角膜潰瘍とコンタクトレンズ治療|どんなときに必要?費用や期間も解説
「うちの犬、目をしょっちゅうこすってる」
「目をしょぼしょぼさせて開きづらそう」
そんなときに疑われるのが角膜潰瘍(かくまくかいよう)という目の病気です。
そして近年、重度の角膜潰瘍や治りにくい症例では、犬でも「コンタクトレンズ治療」が選択されるようになっています。
今回の記事では、犬の角膜潰瘍の原因や症状、そしてコンタクトレンズを用いた治療方法について解説します。
愛犬が目の病気になった時のために、このコラムを最後までお読みいただき、新しい治療の選択肢を学んでいきましょう。
犬の角膜潰瘍とは?

角膜は、目の最も外側にある透明な膜で、外界の刺激や細菌から目を守っています。
この角膜に傷がついた状態が、角膜潰瘍です。
角膜潰瘍になってしまうと、細菌が入り込み、痛み・炎症・混濁(白濁)を引き起こす原因となります。
角膜潰瘍が起こる原因には、
- 自分の爪や毛によるひっかき傷
- シャンプーなど異物の刺激
- ドライアイ(涙液不足)
- 他疾患による二次的な損傷
などがあります。
軽い傷であれば点眼治療だけで治ることも期待できますが、深く削れてしまうと角膜が破れて失明する危険があります。
角膜が破れてしまうと、外科的治療やさらなる保護処置が必要です。
コンタクトレンズによる治療法
犬も角膜潰瘍などの目の治療の一環で、コンタクトレンズを装着することがあります。
使用するレンズも、人間のような視力矯正用ではなく、「治療用コンタクトレンズ(バンデージコンタクト)」と呼ばれる医療用レンズです。
このレンズは、角膜を直接保護する透明な包帯のような役割を果たします。
特に以下のような場面で使われます。
- 角膜潰瘍が深く、自然治癒が難しい場合
- 外科処置を避けたい場合
- まばたきや涙による摩擦で傷が広がってしまう場合
- 角膜移植後など保護したい場合
レンズを装着することで外からの刺激を遮断し、角膜の再生を促進できることもポイントです。
また、点眼薬を効率よくとどめる効果もあるため、治癒スピードの向上にもつながります。
犬のコンタクトレンズ治療の流れ

以下がコンタクトレンズ治療の主な流れです。
- 角膜の深さ・状態を精査
- 専用の医療用レンズを選択・装着
- 抗菌点眼・潤滑点眼を併用して管理
- 数日〜1週間ごとに動物病院でレンズを交換または除去
犬用のレンズは使い捨てではなく、病院管理の下で装着・交換を行うのが一般的です。
自宅で外したり洗浄したりする必要はありません。
コンタクトレンズ治療の注意点
治療用コンタクトは非常に有効ですが、治療の際に生じるリスクや注意点なども覚えておきましょう。
感染のリスク
コンタクトレンズ下に細菌が入り込むと、角膜潰瘍が悪化する可能性があります。
感染を起こしていないかをチェックするためには、動物病院での定期的な診察が必須です。
コンタクトレンズのズレ・脱落
コンタクトレンズは犬がこすったりすると外れてしまうことがあります。
何らかの原因でコンタクトレンズが外れた場合はすぐ病院へ行きましょう。
涙やけ・分泌物
コンタクトレンズをつけていると、目やにが増えることがあります。
目やにが増えてしまった際は、自己判断で拭かず清潔なコットンで優しくケアを心がけましょう。
角膜潰瘍以外でのコンタクトレンズ治療
コンタクトレンズは角膜潰瘍以外にも次のような疾患で使用されることがあります。
- 角膜裂傷や外傷後の保護
- 角膜移植(角膜穿孔後など)の術後保護
- ドライアイ(KCS)の重度例で、涙膜保持を目的とした補助療法
このように、「角膜を守りながら治す」ための治療として、コンタクトレンズは眼科領域でますます重要な選択肢となるでしょう。
まとめ

犬の角膜潰瘍は、見た目以上に痛みを伴い、重症化すると手術も必要になってしまう病気です。
治療用コンタクトレンズは、角膜を保護しながら自然治癒力を高める医療用バリアです。
そして、適切な管理と定期チェックが欠かせません。
「目をこすっている」「白く濁っている」「涙が止まらない」
そんなときはなるべく早くご相談ください。
奈良県生駒市の動物病院
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